インシテミル、時の密室、潜伏者
今回読んだ本
「ある人文科学的実験の被験者」になるだけで時給十一万二千円がもらえるという破格の仕事に応募した十二人の男女。
とある施設に閉じ込められた彼らは、実験の内容を知り驚愕する。
それはより多くの報酬を巡って参加者同士が殺し合う犯人当てゲームだった―。
いま注目の俊英が放つ新感覚ミステリー登場。
この作者の作品は初めて読みました。
参加者それぞれが1つずつ違う武器を与えられて、鍵のかからない部屋で夜を過ごす。
「何もしなくても高額の報酬がもらえるのだから、ボーナスをめぐって殺し合うなんて馬鹿げてる」と確認し合ったのに、翌日1人が死体で見つかって…というのが冒頭の流れ。
そこから疑心暗鬼が生まれ、ゲーム終了までひたすら手に汗握る心理戦が繰り広げられます。
もう…すっごく面白かった!
私好み!
久しぶりに心から「面白い!」と思えるクローズドサークル物に出会えて幸せです!(* ´ ▽ ` *)
後半にちょっと主人公補正が入ってたような気もしますが、でも面白かったから良し!
映画化もされたようですが、映画の方はものすごく評判が悪いので見る気にはなれません。
明治政府の雇われ技師エッセルは、謎の館で偶然死体を発見するが、その後死体は消失した。
昭和45年、医大生氷倉は河底トンネルで、そこにいるはずのない友人の刺殺体に遭遇した。
そして今“路上の密室”事件を追う森江春策の前に、明治・昭和の未解決事件が甦る!’
01年本格ミステリ・ベスト10第2位に輝く傑作。
後半は話の展開が早くなり、えっ、どういうことなんだろうとドキドキしながら読みました。
犯人も意外で面白かったです。
面白かったんですけど…
…
後半にたどり着くまでが大変だった!
現在の身代金事件に続く殺人事件、過去の殺人事件、さらに明治時代の死体消失事件、とミステリーの舞台が切り替わり、それぞれの時代の謎がちょっとずつ関係があって…という物語なのですが、謎解き以外の描写が非常に多い。
昭和の学生運動について、明治時代の川口外国人居留地について、大阪安治川橋の構造について、大阪万博について、すごく丁寧に調べて書かれていると思います。
私は地図が不得意なので、ミステリーの謎解き以上に地理的情報を把握するので四苦八苦でした!(汗)
大阪の地理に詳しい人ならもっと楽しめたのかもしれません。
若手ルポライター・笹尾時彦は、新人賞の下読みのバイトで奇妙な原稿に遭遇した。「堀田守男氏の手」と題されたそれは、どうやら北関東で次々に起きた少女失踪事件を題材にしているようだ。興味をそそられた笹尾は、調査に乗り出した。容疑者、被害者家族、そして謎の小説家の思惑が交錯するとき、新たな悲劇の幕が開く!
正直、そんなにおおっ!という感想はありません(´∀`*;)ゞ
犯人しか知りえないような内容の本を書いているのは誰なのか?
犯人は捕まったが、誘拐された少女たちがいまだに見つかっていないのはなぜなのか?
犯人もそこまで意外じゃないし、主人公が謎を追っていく過程にサスペンス感はほとんどない。
誘拐された少女の親がどれもこれも問題を抱えている時点で、ある程度謎が見えてきてしまいます。
それでも最後まで読ませてしまう、というところが折原一の謎!(笑)
おすすめです!とは言えない。
でも折原一好きならたぶん読むでしょう。